FileMaker Serverインストール(Linux)

FileMaker Sevrverのインストールサービスを提供しています。こちらからお申込み頂けます。
共通事項
  1. 本サイトではダウンロード版FileMaker Serverのインストールを前提に行います。
  2. FileMakerプラットフォーム動作環境 からサーバマシンがFileMaker Proに適合しているかご確認ください。
  3. 指定のダウンロードサイトよりサーバマシンに適合したインストーラをダウンロードしてください。
  4. 指定のダウンロードサイトより 「ライセンス証明書ファイル(LicenseCert.fmcert)」をダウンロードしてください。
    「ライセンス証明書ファイル(LicenseCert.fmcert)」はインストーラと同じ場所に配置してください。

Linuxに関して

当サイトではFileMakerServerの構築にLinuxを推奨しています。処理速度や安定性にすぐれコストパフォーマンスも抜群だからです。 当サイトではWebArana/Indigoを使います。ユーザアカウントを作成してください。 当サイトでWebArenaに関するサポートはできませんのでご了承ください。 以下にWebArenaでのインスタンス作成までの手順を示します。

VPSサーバ構築

  1. ログインできたらコントロールパネルへ移動します。既にコントロールパネルが開いている場合は次へ進みます。
  2. 左ペインの「インスタンス管理」を展開し「インスタンス」を選択します。
  3. 「+インスタンスの作成」をクリックしてインスタンス作成を開始します。
  4. イメージの選択で「Ubuntu20.04」または「Ubuntu22.04」を選択します。
  5. サイズの選択で「6vCPU 8GBRAM ...」を選択します。
  6. ※値段の安い小さいサイズを選択してもかまいませんがインストール作業に時間がかかったり、正常に動作できなかったりします。
  7. SSH鍵は最初に作成された物を選択します。SSH鍵が手元に保存されている事を確認しておいてください。
  8. リージョンは「日本(Tokyo)」とします。
  9. ※「日本(Osaka)」が選べる場合もあります。基本的に利用場所から近い方がパフォーマンスが良く感じられます。
  10. インスタンス名を設定したら[インスタンスの作成→]を押します。
  11. ※※「OSインストールを実行中です」メッセージが表示されるのでしばらく待機します。ブラウザの「更新」をクリックして[Stopped]と表示されたらOSのインストールは完了です。
  12. リスト右の選択から「アクセス」を選択しインスタンスに接続します。
  13. [▶インスタンスの起動]でインスタンスを起動させます。
  14. インスタンスが起動したら[コンソール]で状態を表示できます。 ログイン画面までいけばログイン待ち受け状態です。但しここではログインはできません。 WebArenaでは証明書認証によるSSH接続がデフォルトになっているからです。詳しくはWebArenaの仕様をご確認ください。
  15. 完了したら電源オンを選択してインスタンスを起動させます。

SSH接続

VPSで作成したインスタンス(Ubuntu)にはSSH接続を行います。接続ツールは色々ありますが、
Windowsでは RLoginPytty Tera Termが使えます。 いずれからの接続ツールを入手して、IPアドレスとユーザ名(ubuntu)、SSH鍵ファイルを設定してください。詳細はそれぞれのサイトを確認してください。
「Relogin」はSFTP(ファイル転送機能)もあるのでお勧めです。
MacOSではターミナルがそのまま使えます。
%ssh -i < SSH鍵ファイル > ubuntu@<インスタンスのIPアドレス >
初回アクセス時のみ承認の警告が表示されますので承認ボタンや[yes]で接続します。 接続に成功するとこの様な状態になっています。
 Welcome to Ubuntu 22.04 LTS (GNU/Linux 5.15.0-25-generic x86_64)
...略
ubuntu@i-15100000503525:~$
入力待ち状態の最後は
  • ubuntu:ユーザー名(WebArenaの場合はデフォルトで[ubuntu]がユーザ名として設定されます。)
  • @(アットマーク):次に説明のホスト名との接続詞です。
  • i-15100000503525:現在のこのインスタンスのホスト名です。hostnameコマンドではこれと同じものが表示されます。
  • :~:現在のパスを表示しています。「~」はユーザーのデフォルトパスです。
  • 最後は「$(ドルマーク)」や「#(シャープ)」で終わっており、これを「プレフィックス」と呼びます。
特に重要なのは「プレフィックス」で、現在の管理状態「$(ユーザー」、「#(rootユーザー[管理者])」を表示しています。 安全の為ユーザーは制限がかかっており重要なコマンドは実行できません、管理者権限のあるユーザーは管理者に昇格したり、管理者になりすましてコマンドを実行できます。
  • rootユ――ザー(管理者)に切り替える:sudo -i
  • rootユ――ザー(管理者)から元のユーザーに戻る:exit
  • rootユ――ザー(管理者)としてコマンドを実行する:sudo < コマンド >
ubuntu@i-15100000503525:~$ sudo -i
root@i-15100000503525:~#exit
ubuntu@i-15100000503525:~$
ubuntu@i-15100000503525:~$ sudo < コマンド >

Ubuntuの初期設定

インスタンスが立ち上がったらまずは初期設定を行いましょう。以下の内容は色々始める前に最低限行っておく事をお勧めします。
  1. ホスト名(hostname)の設定
  2. ディストリビューション(ここではubuntu)パッケージの更新
  3. ユーザのログインパスワードの設定
  4. タイムゾーンの変更
  5. その他にユースケースによって必要な場合がありますが、これらは必要に応じて調べてください。当サイトでは個別のサポートは行いません。
[備考]Linuxでは設定の変更の際、「vi(ヴィ)」エディタというテキストエディタをよく使います。(他にもありますが当サイトではviを使います。) ネットで調べると使い方などが出てきますので確認してください。少々慣れが必要ですがLinuxの世界では(おそらく)必須です。 これが使えないと設定値の変更や項目名の編集などができません。
ホスト名(hostname)の設定
→vi で/etc/hostname開きます。
$vi /etc/hostname
===/etc/hostname===
i-15100000503525
===ここまで===
→「i」を押て編集モードにします。
→「i-15100000503525」を「fms20」のように書き替えます。
→「esc」キーで編集モードを抜けます。
→「:wq(コロン、ダブリュ(小文字),、キュー(小文字)、)」で変更内容を保存します。
[補足]保存しない場合は「:q!」とします。失敗した場合は最初からやり直します。
ディストリビューション(ここではubuntu)パッケージの更新
→パッケージのアップデートを取得します。
$sudo apt update
→アップデートで各種アップグレードします。
$sudo apt upgrade
→すぐに「Do you want to continue? [Y/n] 」問聞かれますのでYかそのまま「ent」キーを押してください。
→kernel availableの確認では[ent]キーを押します。
 
→Witch sevvices should be restarted?の確認では
 [tab]キーを押し< OK >にカーソルを移動してから[ent]キーを押します。
  
ユーザのログインパスワードの設定
設定は任意です。sshリモート接続ではパスワード認証は無効ですのでここでパスワードを設定しても安全です。設定すれば「VPNサーバー構築(11)」のコンソールからログインできるようになります。
~$ sudo passwd ubuntu
New password: ←パスワードを入力(何も表示されません)
Retype new password: ←同じパスワードを再度入力(何も表示されません)
passwd: password updated successfully ←パスワードを設定完了
タイムゾーンの設定
  $ date ←時刻を確認
  Wed Apr 19 04:10:40 UTC 2023 ←現在はUTC標準時間になっています。
  $ sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo ←Asia/Tokyoに変更します。
  $ date ←時刻を確認
  Wed Apr 19 13:11:05 JST 2023 ←JTC日本時間になりました。

インストール

インストール作業はユーザーホームディレクトリ[/home/ubuntu]で行います。ログイン直後のディレクトリです。
  1. 必要なパッケージをインストールします。
  2.   $ sudo apt install unzip
      $ sudo apt install wget ←たぶん既にある
    
  3. FileMakerServerのインストーラをダウロードします。
  4. 正規ライセンスをお持ちでない方は、先に無料評価版の申込を行ってください。
    正規ライセンスをお持ちの方はダウンロードページより関連リンクと「ライセンス証明書」を取得してください。
    ANNYYSライセンスをお持ちの方はユーザーページ より関連リンクと「ライセンス証明書」を取得してください。
    • [FileMaker Server 19 Ubuntu20]
    • https://downloads.claris.com/esd/fms_19.6.3.302_Ubuntu20.zip
      $ wget https://downloads.claris.com/esd/fms_XX.X.X.XXX_UbuntuXX.zip
    
  5. ダウンロードしたFileMakerServerのインストーラを解凍します。
  6.   $ unzip fms_XX.X.X.XXX_UbuntuXX.zip
    
  7. FileMakerServerをインストールします。インストールの途中で下記の質問(英語)が入りますので適宜対応します。
  8.   $ sudo apt install ./filemaker-server-XX.X.X.XXX-amd64.deb
      ...関連パッケージ等の表示...
      Do you want to continue? [Y/n] ←「ent」キーでY選択
      ...関連パッケージのダウンロードとインストールが進行するので待機...
      === Perform pre-installation of filemaker-server_20.1.1.38 (install)
        I confirm that I have read and agree to the terms of the Claris FileMaker Server Software License Agreement included with the software.
        Agree(y)        Decline(n) [y/n] y
        0) Claris FileMaker Server primary machine
        1) Claris FileMaker WebDirect secondary machine
        Choose 0 to install Claris FileMaker Server primary machine,
        or 1 to install Claris FileMaker WebDirect secondary machine. [0/1] 0
        Set up the Claris FileMaker Server Admin Console account for Claris FileMaker Server primary machine.
        Use this account when you sign into Claris FileMaker Server Admin Console.
        Enter User Name: ユーザー名
        Create a password to sign into Claris FileMaker Server Admin Console.
        Enter Password: パスワード
        Confirm Password: パスワード再入力
        Create a 4-digit PIN needed to reset Claris FileMaker Server Admin Console account password via the command line interface.
        Enter PIN: PINコード
        Confirm PIN: PINコード再入力
        Set Claris FileMaker Server Admin Console account information.
        Claris FileMaker Server primary machine is being installed by ubuntu to run as fmserver of fmsadmin group.
        Create fmsadmin group.
        Create fmserver user in fmsadmin group.
        Add ubuntu user to fmsadmin group.
        Please restart the system after installation to referesh membership of ubuntu in fmsadmin group.
    Unpacking filemaker-server (XX.X.X.XX) ...
      
    
  9. ブラウザで「https://<ホストIPアドレス>/admin-console」へアクセスします。プライバシーの警告が表示されますが[詳細設定]を押します。
  10. 最下部のXX.XX.XX.XXにアクセスする(安全ではありません)で画面を表示します。
  11. Admin Console画面が開いたら登録したユーザー名とパスワードで「サインイン」します。
  12. 初回のみ「セキュリティ設定」画面が表示されます。 サーバー証明書がある場合はそれを指定しますが、多くの場合手元にまだ無い(または必要としない)場合が多いでしょう。 「Clarisデフォルト証明書を使用」を選択して「保存」ボタンを押します。
  13. 「Clarisデフォルト証明書を使用」の警告が出ますが「リスクを受け入れる」を選択してここでは進みます。
  14. FileMakerServerが起動しました。「ダッシュボード」ではFileMakerServerの状態が表示されています。
  15. アップデート

    バージョンアップの通知があればなるべく早めにアップデートを行いましょう。
    • アップデートの多くには不具合の解消やパフォーマンスの改善が施されています。
    • アップデート時は全ての端末からFileMakerSeverへのアクセスができなくなります。
    FileMakerServerのアップデート方法
    1. アップデートファイルを入手します。
    2. 現在のFileMakerServerの接続クライアントが無い事を確認します。あれば接続を解除してください。
    3. ここで念のためFileMakerServerでホストしていたファイルのバックアップを取得しておきます。
    4. FileMakerServerを停止します。
      • FileMaker Server プロセスの停止
      • $sudo systemctl stop fmshelper.service
      • FileMaker Server プロセスの開始(アップデートではこのコマンドは使いません)
      • $sudo systemctl start fmshelper.service
    5. FileMaker Server プロセスの停止を確認して最新のアップデータを実行します。
    6. アップデートが完了したら、Admin-Consoleを立ち上げFileMaker Serverが正しく起動している事をご確認ください。